雲で天気を予測する

キャンプやトレッキング中に気になるのが天候の変化。事前に天気予報で調べてはいるものの『山の天気は変わりやすい』のが当たり前です。

雨が降ってきてから慌てて対処するより、雨が降る前に心構えが出来てたほうが、何事もスムーズに運びます。

雨が降る条件は、空に雲があること。雲の種類によっては、すぐに降ってくるのかも想像できます。

雲を知ることで、天候の変化を察知しましょう。

雲の種類と気象変化

上層雲

地上から約5km~13kmの高さにできる雲


巻雲(けんうん)

別名:絹雲、すじ雲、はね雲、しらす雲

巻雲

高い位置にある雲。
巻雲が見られるような段階では概ね晴天ですが、数日後には天候が崩れることが多いようです。



巻層雲(けんそううん)

別名:おぼろ雲、うす雲

巻層雲

月や太陽に傘を作る薄い雲で、太陽や月を中心にした輪のように光ることがあります。この雲が出たら天候が悪くなる兆しと言われています。

巻層雲は薄く層状に広がることが多いが、山岳波などの上空の気流の影響で波紋状やさざなみ状の模様(波状雲)を作ることもあります。



巻積雲(けんせきうん)

別名:いわし雲、いわし雲

巻積雲

魚のウロコのような雲なのでこの別名。氷の結晶からできています。

温暖前線や熱帯低気圧の接近時には、巻雲の次に現れるために順番にみられると天気の悪化が近づいていると考えられるでしょう。

台風や移動性低気圧が多く近づくため特に多く見られ秋の象徴的な雲です。


中層雲

地上から2km~7kmの高さにできる雲。


高積雲(こうせきうん)

別名:うろこ雲、ひつじ雲、むら雲

高積雲

縦に長い雲のかたまりで、まばらに浮かんでいることも空一面をおおっていることもあります。

高積雲の下側は、巻雲の次に高く雨を降らせる雲ではありませが、低気圧を伴っていることもあるので、雲の層が厚くなってきたら天気は崩れます。



高層雲(こうそううん)

別名:おぼろ雲

高層雲

空全体に薄い綿を敷いたような感じの雲です。
低気圧が接近している時に現われやすいです。

直接雨を降らせる雲ではないですが、乱層雲につながっていることが多いため、天気が崩れる兆しです。


下層雲

地上から高さ約2km以下にできる雲


層積雲(そうせきうん)

別名:うね雲、まだら雲、くもり雲

層積雲

曇り空に現れる畑のうねのようにいくつもの雲が長く横たわっている感じの雲で、白い雲から黒い雲まで形や大きさもさまざまです。

曇り空だが比較的層が薄く、降水を伴うことは少ないというのが特徴。



層雲(そううん)

別名:きり雲

層雲

最も低い所に浮かぶ雲で、濃い霧が掛かったような感じがします。 よく山に掛かっており、雲海と言われるのはこの雲のことです。

降水をもたらすこともあるが、霧雨や霧雪に分類されるような、粒の細かい降水であることが多いです。

層雲が厚みを増したり、形をはっきりさせてくると、乱層雲に変化することもあります。



乱層雲(らんそううん)

別名:雨雲

乱層雲

いわゆる雨雲で、いかにも「低くどんよりと垂れ込める」といった表現がぴったりの雲です。

多量の水蒸気を含んでいるため天気は下り坂です。降りだす頃は、雲の下側は灰色になります。


対流雲

比較的大気が不安定の時に塊になって発生


積雲(せきうん)

別名:わた雲

積雲

晴れた日によく現れるむくむくとした綿菓子のような雲です。

他の積雲状の雲と同じように、割合狭い範囲の空気が上昇したときにできます。

積雲は晴れた日の午前中に現れ、夕方に消えることが多くありますが、気温が高い時にはさらに発達して積乱雲にとなることがあります。



積乱雲(せきらんうん)

別名:入道雲、雷雲

積乱雲

積雲が発達したもので、縦に厚い層を形成し、その雲頂は成層圏下部にまで達します。

成長の要因としては地上と上空の大気との気温の高低さが挙げられます。夕立を降らせるのはこの雲で、短時間に激しい雨が降り、雷を伴うこともあります。

積乱雲が真上に来たら

積乱雲が真上に来たら、一刻も早く安全な場所へ行くことです。特に落雷に注意が必要です。

寒冷前線通過の場合は通過後気温が低下するため、雨に打たれた後は体温を奪われやすいので注意しましょう。


観天望気(かんてんぼうき)

観天望気とは、自然現象や生物の行動の様子などから天気を予想するで、天気のことわざのようなものです。

古くから天気を予想することは、漁師・農民・商人など多くの人々にとって重要なものであり、世界各地で人々は観天望気を用いて天気を予想してきました。


雲を使った予想は、気象学的に考えてもっとも信用性がある

太陽や月に輪(暈)がかかると雨か曇り

温暖前線の接近に伴う巻層雲のため

うろこ雲(巻積雲)は天気変化の兆候
おぼろ雲(高層雲)は雨の前ぶれ

温暖前線の接近によって高層雲が現れるため

夏の朝曇りは晴れ
山に笠雲がかかると雨や風

低気圧や前線に伴う風により、湿度の高い空気が山の斜面を上って水蒸気が凝縮するため

上り雲(北に向かう雲)は雨、下り雲(南に向かう雲)は晴れ

低気圧の前面は南寄り、後面は北寄りの風となるため

ひこうき雲がすぐに消えると晴れ

上空の湿度が低いため

飛行機雲が広がると悪天の前

上空の気流が安定していないため


鳥や虫などの状態から予想

ハチが低く飛ぶと雷雨

湿度が高いと、昆虫が低く飛ぶとされる

カエルが鳴くと雨

雨の前兆で空気が湿ると茂みから出てきて鳴く

ネコが顔を洗うと雨

湿度が高い時、顔や髭に水滴を猫が拭う為とされる

ミミズが地上に這い出したら大雨
ヤマバトが鳴くと雨になる
クモが糸を張ると明日は天気

虹などの気象現象を利用したものや煙など人工的な現象を対象とするもの

夕焼けの次の日は晴れ

地球上の多くの場所では、天気が西から東へ移動するため

星が瞬くと風強し

強風下では、大気のゆらぎが強くなる

煙が立つか東にたなびけば晴れ、西にたなびくと雨

低気圧接近時は、東寄りの風が多いため

鐘の音が遠くまで響けば雨・嵐

前線などで上空に暖かい空気が入ると、音波の伝播方向に影響を与えるため

リウマチが痛むと雨

気圧に結びつけた説明がされることもある

茶碗のご飯粒がきれいに取れると雨

湿度が高いためとされる

朝虹は雨、夕虹は晴れ
朝焼けは雨