食中毒を起こす植物
毒性の強弱に関わらず野草を食用することは非常に危険!知らない植物をむやみに口にしないことです。
トリカブト(鳥兜)
キンポウゲ科トリカブト属の総称。 日本には約30種が自生。 【毒部位】全草。特に塊根に猛毒。 唇、腹部、皮膚などに灼熱感、またはアリがはいまわるような感覚があり、よだれ、嘔吐、めまい、下痢を起し、知覚および中枢麻痺を起こして歩行や呼吸が困難になり、昏睡状態になる。死亡までに1~数時間。致死量は、トリカブトの根で約2~4g、成分であるアコニチンで約5mg。 |
ドクウツギ(毒空木)
北海道・本州(近畿以北)の山地や河川敷や海岸の荒地などに自生。 コリアミルチン、ツチンなどの有毒成分を含む有毒植物。 【毒部位】全株・果実・茎・葉。 主な中毒症状は悪心、嘔吐、全身硬直、口唇紫変、瞳孔縮小などで、葉約24gが致死量。 |
ドクゼリ(毒芹)
トリカブト、ドクウツギと並んで日本三大有毒植物。 北海道から九州の水辺に群生。 【毒部位】全草・地下茎。 毒性は強く成分は皮膚からも吸収される性質を持つ。口から泡を吹き、中枢神経が侵され、痙攣、めまい、嘔吐、皮膚の発赤が現れ、最後に呼吸麻痺を起こして死亡。 |
ハシリドコロ(走野老)
本州~四国・九州の山間の日陰などに群生。 【毒部位】全草に毒を含むが、根茎と根が特に毒性が強い。 幻覚症状に苦しんで走り回る。最悪の場合には死にいたる。 トロパン系アルカロイドのヒヨスシアミンの量が多いと狂騒状態を引き起こし、最悪の場合には呼吸麻痺によって死亡。 |
ドクニンジン(毒人参)
北海道のほかに、東日本に生息する気化植物。 【毒部位】全株・種子・根。 各種の毒性アルカロイドを含み、コニインの神経毒性の成分で中枢神経を興奮させ、のちに麻痺を起こし運動神経末梢を麻痺させ、その結果、よだれ・呼吸麻痺を起こして死亡。 |
アセビ(馬酔木)
本州、四国、九州の山地に自生。 やや乾燥した環境を好み、樹高は1.5mから4mほど。 【毒部位】全株・葉・樹皮・茎・花。 葉を食べるとよだれ、嘔吐、下痢、手足の麻痺を伴い、酩酊状態になる。 同科(ツツジ科)のネジキ、ハナヒリノキ、シャクナゲ、レンゲツツジなどもグラヤノトキシン系のジテルペンを含み、似たような作用を示し、激しい時は呼吸麻痺で死に至る。 |