アウトドアの服装

アウトドアでの服装の基本は

  1. 動きやすいこと
  2. 冬の寒さから体を守ること
  3. 夏の暑さから体を守ること
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車で移動できる設備の整ったキャンプ場などなら、天候が変わったら車に行って着替えればいいことですが、背中のザックひとつで移動してるトレッキングや登山などでは、なんでもかんでも持っていけるわけが無い。

そんな時は、ウェアを着たり脱いだりすること(レイヤード)によって、アウトドアでの気温の変化に素早く対応することができます。

アウトドアウェアに求める性能

  1. 吸湿性:汗を素早く吸収する
  2. 吸湿性:汗を素早く吸収する
  3. 保温性:薄手で軽量でありながら保温性がある
  4. 撥水性:付着した雪や水が弾かれ内部に染み込みにくい

防水性能

防水性能とは、雨や雪などの水をウェア内部に通さない性能のこと。耐水圧(mm)の表示で知ることができます。

通常のレインコートの耐水圧は通常500~1000mmあれば十分と言われています。アウトドア用のレインウエアはそれ以上の耐水圧が確保されています。

水圧の目安は体重75Kgの人が雨の中、ウェアが濡れた状態で座るとおよそ2,000mmの圧力がお尻の生地にかかり、膝をついている時は、なんと11,000mmもの圧力がかかるのです。

傘などは、濡れてもその水を押し付けることは無いので、表面だけが濡れて周りに流れ落ちるけど、レインウェアは濡れた状態で動き回るのでいろいろな圧力が表面に付いた水滴に作用するため、内側にしみ込んでくるのです。

防水と撥水の違い

防水とは水がしみとおるのを防ぐことで、撥水とは水をはじいて玉にして転がすこと。

撥水構造は、撥水剤で生地の表面繊維の一本一本を包み込ませ疎水性にすることで、表面に付着した水滴を玉状にし、はじかせる性能のです。

しかし、使用しているうちに効果が落ちてしまうので、スプレーなどで復元させます。


透湿性能

体から出る汗や水蒸気を外に逃がす素材性能のこと。
ベタつきや蒸れを少なくする性質です。

透湿性能をあらわす単位【透湿度 g/m2-24h】とは、素材1平方メートルあたり24時間に何gの水分を透過したかを表します。

発汗量の目安は、大人ひとりが安静にしている時に、一時間あたりに放出する汗の量は50cc、軽い運動時で500cc、ランニングなど激しい運動の場合1,000ccにもなります。
(水1ccの重さは1g)
*4500g/m2-24h以上であれば「快適」といえるレベル


レイヤード(重ね着)の基本

  1. 肌の上に直接着る下着の役割「アンダー」
  2. アンダーの上に着る中間着の役割「インナー」
  3. 一番外に着るオーバーコートの役割「アウター」

以上の3層構造(レイヤード)で寒さに対抗するのが基本です。アンダーとアウターの間に重ね着するミッドレイヤーなど、季節や環境に応じて使い分けましょう。


アンダーウェア(保温・吸汗速乾)

アンダーウェア

選ぶポイントは4つです。

  1. 汗を素早く吸収してくれる
  2. 水分を外側へ放出、短時間で速乾する
  3. 肌触りがよい
  4. サイズが合っている

以前は、アンダーウェアや寒い季節用のウェアの素材にはコットン(綿)が主流でしたが、汗を吸いやすく乾きにくいため、大量の汗をかいたウェアは重いだけでなく濡れて不快になったり、運動量が減ったとたんに今度は体を冷やして意図しない体力を奪ってしまうため、コットンはスポーツのためのウェアに最適な素材とは言えなくなりました。

最近は吸湿速乾性のあるダクロンQDやウイックロン、ジオライン、ウール、シルクなどの素材で作られたアンダーウェアは、肌から取り去った湿気を、透湿性のある外側のレイヤーに運んで蒸発させるという優れた特長があります。

アンダーウェアは、体の自由な動きを妨げず快適にフィットするものを選んでください。サイズが大きすぎても、肌が擦れてしまう場合もあります。


インナーウェア(保温・吸汗拡散)

インナーウェア

選ぶポイントは3つです。

  1. 保温性が高いこと
  2. 透湿性が良いこと
  3. 伸縮性があり動きやすい

インナーにはセーターやフリース、またはウインドブレーカーなどがあるといいでしょう。フリースは軽くて山のインナーウェアの定番です。
ウインドブレーカーは防風の役割になり、ポケットサイズに収納できるので携帯にも便利です。

また薄手のインナーダウンなども保温力に優れ携帯に便利です。

夏の低山トレッキングでも薄着だけの装備は禁物です。標高が100m上がれば気温は0.6℃下降、風が吹けばさらに体感温度は下がります。真夏でも高地は都会と違い寒いです。寒い思いをしないためにインナーなどを用意するなどの防寒対策をしましょう。

ジップアップやボタンなどの開閉が楽なものだと温度調整簡単です。素材は、アンダーウェアと同様に吸汗性と速乾性があるものを選ぶようにしましょう。


アウターウェア(耐風性能、防水性能、透湿性能)

アウターウェア

選ぶポイントは3つです。

  1. 防水性または撥水性に優れている
  2. 透湿性が良く蒸れ難い
  3. 用途にあったタイプ

防水性、防風性に優れたジャケット等を使用し、雨や風などから身体を守ります。

透湿性に優れた1枚生地のから中綿入りの保温力の高いアウターウェアがあり、目的地の環境や季節に応じて使い分けましょう。


レインウェア

レインウェアの素材で最も重要なのは防水性能と透湿性能。これが価格の違いです。

防水性能は、雨が降っても外から中へしみ込まない。透湿性能は、中の汗などの湿気を外に放出する。

防水性と透湿性は相反するものなのですが、ゴアテックスなどの防水透湿性素材はその矛盾を克服した快適素材です。

アウトドアでは常に悪天候に備えておくことが大切です。好天が予想されている場合でも、必ず防水性と透湿性のいいレインウェアを用意しておきましょう。


ビニール素材

P.V.C(ポリビニールクロライド)

P.V.Cとは生地に塩化ビニールをコーティングした素材で、低価格のレインウエアによく使われている素材。欠点は重いこと。


防水透湿性素材

多孔質タイプ

無数の微小な穴が開いている非常に薄いフィルムを生地にラミネートした素材。ほかの素材よりも透湿性に優れ、汗をかいても蒸れずに快適。

ただし、微小な穴が目詰まりを起こすと機能が損なわれるので定期的なお手入れが必要。
GORE-TEX

GORE-TEX
[3レイヤー] 耐水圧 45,000mm 透湿度 13,500g/m2-24h

無孔質タイプ

水蒸気が抜ける穴も無いのに蒸れが抜けていく不思議な素材。
無孔なので水滴を通さず目詰まりも無い。
高防水性でしかも透湿性があり優れた素材。
DIAPLEX

DIAPLEX
耐水圧 20,000~40,000mm 透湿度 30,000g/m2-24h
DERMIZAX EV
耐水圧 20000mm以上 透湿度 20,000g/m2-24h(2層)
SUPER PROTEINTEX
耐水圧 18000mm 透湿度 20,000g/m2-24h

コーティングタイプ

ウレタン系の原料を生地に直接コーティング加工し防水性を高めた素材。比較的価格が安いのが魅力だが、他のハイテク素材よりは蒸れやすい。

最近は技術革新によりコーティングに無数の微細な穴を開けて透湿性を確保したタイプも登場している。

ENTRANT GII(GII-XT、DT)

生地に透湿性防水素材をコーティングした防水地としては元祖的な存在。
ENTRANT

GII
耐水圧 10,000以上 透湿度 10,000以上
GII-HHP
耐水圧 20,000~30,000以上 透湿度 10,000以上
GII-XT
耐水圧 20,000~30,000mm 透湿度 20,000以上

HYDRO BREEZE

2レイヤーで耐水圧 20,000mm 透湿度 8,000g/m2-24h
HYDRO BREEZE