歩き方を知る

平地の歩き方

頭頂から背筋、脚部へと、身体の中心を通る1本の軸をイメージし、これは常に地面と直角にします。そして背筋をまっすぐにしたまま肩の力を抜き、腹部に力を入れて腹筋を意識しながら、左右の足を交互に前に出します。

膝は伸ばし、地面を蹴るイメージで足を前に出し、つま先が上に向いた形で、かかとから着地しつま先で蹴りだすのがポイントです。手のひらは軽く握り、手首はまっすぐ伸ばしたままで肘を軽く曲げて、左右前後に振り出します。

歩幅は自分の身長×1/2より少し広めに。背筋を伸ばしている分、いつもより少し高い視線で、手と足、そして全身がリズミカルに動くように、さっそうと歩きましょう。


上り坂の歩き方

上り道では、平地に比べて心拍数が上がるのが早くなります。
理想的な全身運動である「歩く」ことも、限界を超える心拍数で続けてると、心臓に負担をかけで健康には逆効果になります。心拍数は「(220-自分の年齢)×0.7」が理想。

時々脈拍を計り、スピードを調節しましょう。

年齢別の理想的な心拍数例
30歳 (220-30)×0.7=133
40歳 (220-40)×0.7=126
50歳 (220-50)×0.7=119
60歳 (220-60)×0.7=112

上り道での姿勢は、平地の歩き方と基本姿勢が異なります。上り道では、傾斜に合わせて身体を傾けます。無理やり前に倒すのではなく、道の傾斜に沿った自然な前傾姿勢を心がけます。傾斜した分、重心は少し前になります。

歩くときは、足の底全体を地面につけます。かかとだけ、あるいはつま先だけでは、疲れやすくなるので要注意。

リズミカルに一定のペースを保つのは平地での歩き方と同じですが、ペースは少し控え気味にしましょう。
心拍数が高くなったと気付いたらペースダウンします。

歩幅は平地よりは少し狭くとり、傾斜がきついほど狭くします。また、腿をあまり高く上げずに歩くことが上り道で疲れないコツです。


下り坂の歩き方

上り道のような息切れしたりすることがないので下り坂はかんたんだと思う人もいるでしょう。しかし、下り坂のほうが疲れやすく、膝や脚や腰を痛めることも多いのです。

下り坂を軽く考えて小走りに下りたら転倒する危険アリ。じゅうぶん注意しましょう。

下り坂は背筋をまっすぐにし、傾斜に沿って身体の重心を後に置いて傾かせましょう。

膝は軽く曲げ、足底全体で地面を踏みます。下り坂では、荷重のほとんどが足にかかってくるので、全身のバランスを整えて、リズミカルに歩きましょう。


ゴツゴツ道の歩き方

地面がゴツゴツしていたり岩や石が落ちているがれき道では、足場も悪く姿勢やリズムを一定に保つことが困難で、体力もたくさん消費することになります。

疲れず安全にがれき道を歩くには、足を着地させる時にしっかりと地面をとらえることが大切です。

でこぼこした道でもぐっと押しつけて、足底の何カ所かで地面をとらえるように着地します。この時、足場が安定しているかどうか確かめて安全を確認してから着地するようにします。

石が落ちている道では、歩いている時、それを蹴ったりしないように注意。蹴った石が転がって、周囲の人に思わぬケガをさせてしまうことがあります。

もし石を蹴ってしまったら、すぐに大きな声を出して注意を促しましょう。